薬剤師の転職|求人と転職サイト比較

病院薬剤師のメリット・デメリット

病院薬剤師になるには、薬剤師免許があれば求人に応募することができますが、大規模病院では、時々「大学院卒以上」と記載がされている場合があります。
以前の4年制度で卒業し、国家試験に合格していたとしても、大学院を卒業していない場合は、採用してもらえない可能性もあります。求人欄をよく確認してみましょう。

 

病院薬剤師のメリット

注射薬を勉強できる

病院薬剤師のメリットとして一つ目としては、調剤薬局やドラッグストアでは取り扱うことができない薬剤があります。それは注射薬です。

 

最近は、在宅医療で点滴をされる患者さんもいらっしゃるので、調剤薬局でも輸液をはじめとした注射薬を取り扱うところも増えては来ていますが、やはり取り扱う数は、病院の方が圧倒的に多いです。注射薬のことをしっかり勉強したい!と考えてる方は、病院で働くことをお勧めします。

 

そして、注射薬を扱う時に考えなければいけないのは、皮下注射、静脈注射、筋肉注射、点滴静注、皮内注射など、一言で注射と言っても、投与経路が薬剤により様々です。また、注射薬は混合することによって、沈殿物が生じたり、外観が変わったり、薬剤の効果がなくなるなどの配合変化が起こる薬剤がありますので、注射薬の組み合わせにも注意が必要です。

 

そしてもう一つ重要なことは、点滴の速度です。カリウム製剤のように急速に静脈注射をしてしまうと心停止を起こす薬剤もあります。添付文書には適切な速度が記載されていますので、濃度を計算し、この投与速度でいいのかを考えなければいけません。他にもミノマイシン製剤のように急速に投与すると血管痛が現れる薬剤もあります。

 

このように、注射薬を取り扱う際には、内服薬や外用薬とはまた違う、様々なことに注意を払う必要があるのです。こういった経験を積むことが出来ると、仮に調剤薬局等へ転職することになっても、しっかり患者様にアドバイスができるようになるでしょう。

 

 

医療従事者から頼りにされる DI 業務

次に、病院薬剤師として重要な業務は DI 業務です。 DI とはご存知の方は多いと思いますがドラッグインフォメーションの略で、薬剤の情報を医師、看護師などの医療従事者に伝えることで、チーム医療に貢献していくお仕事です。

 

薬剤で疑問に思ったことは、ほぼ毎日質問がきます。

 

まず、素朴な疑問として、医師からは
不活化ワクチンを接種した際にはどれぐらいの投与間隔が必要なのか?などから、腎機能が悪い患者がいて適切な投与量はどのぐらいがいいか?
また妊娠や授乳している方はどういった薬剤が適切なのか?
患者がこのような症状を訴えているけれども副作用の可能性はないか?

 

医療事務の方からだと、ある薬剤がレセプトで査定されたけど、どうしてだろうと聞かれたり、理学療法士からは、この人は痛がっているのになぜこの薬は使えないのか?といった質問や、栄養士の方からは食事に影響する薬剤がないかなどを聞かれることがあります。

 

 

薬剤師だけでは気づかない視点に気づかされることも多々あります。冷所で保管するはずの薬剤が室温に置かれていて、この場合はどう対処したらいいのか?など薬剤の管理方法まで多岐に渡ります。

 

病院に採用されている薬剤はもちろん、採用されていない薬剤、また 市販薬のこともしっかりと情報収集、蓄積をしておくのも DI 業務のひとつです。

 

医療従事者は薬剤のことで困ったことがあれば、真っ先に頼りにされるDI業務。頼りにされ、役立てる仕事としてとてもやりがいのある業務です。

 

 

医療従事者と交流ができる。情報交換ができる

病院内には様々なスタッフがいます。
医師、看護師、看護助手、薬剤師、栄養士、理学療法士、作業療法士、医療事務、ソーシャルワーカーなど、多くの職種の方と交流することができます。

 

病院内では、他職種でカンファレンスが盛んに行われており、ソーシャルワーカーによる、自宅に帰ってからも、継続的な医療を届けられるような配慮、金銭的な配慮、理学療法士による、退院後も持続可能な生活の提案、栄養士による患者に最適な食事の提案、作業療法士からは嚥下状態に合わせて、食事の方法や薬の飲み方など、薬剤師の目線では気付かなかったことに触れることができます。

 

そのような多職種の目線を知ることで、薬剤師として、患者さんには、嚥下が悪いので飲み込みやすい財形に変更の提案はできないか、食事の影響を受けないように、避けて欲しい食事をパンフレットでお渡しする、金銭的な面を考慮し安い薬剤に変更できるか医師に提案するなど、さらに寄り添った医療を提供することが可能になります。

 

 

治験業務に携われる

治験とは、世の中に出る前の薬剤を、一定の条件に当てはまる人が同意のもとで投与を行い、副作用や血中濃度などを追跡、調査していく、臨床試験のことです。治験とは?厚生労働省

 

医薬品等が人の体に有効で安全であることを立証し、承認申請するための臨床試験のことである。治験がスムーズに行われるよう、治験参加者をサポートしたり、関係者のスケジュールを調整したりする。CRC(Clinical Research Coordinator)が派遣され、 CRC の方の指示のもとに、薬剤師は薬剤の保管方法や薬剤の調製、薬剤投与の記録を行っていきます。

 

 

治験を行う病院は、「医薬品の臨床試験の実施の基準に関する省令」という規則の要件を満たす病院だけが選ばれるので、一般的には大学病院などの大病院がよく行っています。

 

もちろん条件を満たせば、中小規模の病院でも治験が行われることはありますが、大病院ほどの高頻度ではありません。

 

 

 

病院薬剤師のデメリット

やりがいはあるが、給料は低い

病院薬剤師は、病院にいないとなかなか経験できない業務が多く、とてもやりがいのある仕事であり、薬剤師としての専門的知識を存分に活かせる職場だと思います。
しかし、求人を見ている方はもうすでにご存知だとは思いますが、調剤薬局、ドラッグストア、病院で見た場合、最も給料の相場が低いのが病院薬剤師です。

 

Google で検索すると、「病院薬剤師 給料 安い」なんて出てきます。

 

複数の薬剤師の転職サイトを見ると、おおよそにはなりますが、

 

病院薬剤師430万円前後
調剤薬局    490万円前後
ドラッグストア  520万円前後
製薬会社   550万円前後

 

これぐらいが年収相場となっているようです。

 

製薬会社に比べると100万円以上の差が出てしまいます。病院の規模には寄りますが、病院薬剤師は夜勤が発生する職場もあります。専門的な知識が身に就く職場でありながら、夜勤をやって、さらに他の職種よりも給料は安いということで、金銭面を理由に、病院薬剤師を避ける方もいらっしゃるようです。

 

コミュニケーション力を磨く場が限定される

メリットにあるDI業務を通し、コミュニケーション力は磨かれ、また薬剤師だけの視点では見落としてしまいがちな所も気づかせてもらうことはあります。しかし、コミュニケーションを図れるといっても、それは病院という狭い世界であり、またコミュニケーションを図る相手も同じ医療分野の専門職の人たちばかり。基本的に医療関係者の殆どは「患者様のために」という思考性をもっており、お互いを尊重し理解しあえる環境にあるといっても過言ではありません。

 

これが調剤や在宅での業務となると、全く分野違いの人や医療・薬剤に関して知識、理解のない人たちとのコミュニケーションも必要となってきます。そういった点ではコミュニケーション力も専門性は高められるものの、幅の広さとしても物足りない面も否めません。

 

 

まとめ

・病院薬剤師は病院だからこその専門的な知識・技術が身につく
・コミュニケーション力は深く狭く磨ける
・意外に給料は安い
・夜勤もあったりする

 

専門性が磨ける点としては、大学や大学院を卒業した新卒にとってはスキルアップに非常に役立つ環境です。また給料が安いというデメリットもありますが、若いうちであれば、どこも給料はそんなに高くもないため、若手の腕を磨く環境としては最適な職場環境でしょう。

 


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